コンサル業界とかでよく聞くPMOって具体的にどんな仕事なのかな?
このような疑問に答えていきます。
コンサルやITなどの業界への転職サイトを見ているとよく「ポジション:PMO」みたいな表記がありますが、業務内容を細かく理解している人は少ないのではないでしょうか?
今回は、事業会社からコンサルに転職して1年半PMOをやっているぼくの経験を基に、PMOの業務内容について具体的に解説していきます。
✔️ 32歳男性
✔️ 総合コンサルティングファーム勤務
✔️ 大手石油会社→ITスタートアップ→コンサル(現在)
関連記事:【保存版】未経験中途でコンサル転職するための方法を解説
近頃コンサルティングファームは、合格できる可能性はかなり高くなっています。
思わぬスカウトが来る可能性もあるので、転職を決めてなくても興味があるなら転職エージェントへの登録だけはしておいた方がいいです。
PMOとは?
PMOとは、「Project Management Office(プロジェクトマネジメントオフィス)」の略です。企業や組織の中でプロジェクトマネジメントの支援を横断的に行う部署のことを指します。
PMと混同して使われることが多いのですが、基本的にはPM(プロジェクトマネージャー)はプロジェクトの全責任を負う立場であるのに対し、PMOはどちらかというとプロジェクト全体を円滑に推進するためのポジションという感じです。
実はコンサル案件のほとんどがPMO
このPMOという役割は、複数の会社や部署が絡む大きなプロジェクトで採用されることが多いです。
特に大規模システム導入や開発案件が主ですが、最近ではIT以外のプロジェクトでも積極的に使われており、PMOの需要はどんどん増えてきている印象です。
そしてこのPMOというポジション、多くの場合コンサルティングファームに外注されています。
①新しいプロジェクトを始動しよう→②PMOが必要だな→③コンサルさんにお願いしようという流れが普通になっているというイメージです。
こんな感じなので、PMOの需要がどんどん大きくなってきている昨今、コンサルファームはどんどん採用を強化してどんどんPMOとしてクライアントに投入するという流れがが加速しています。
関連記事:https://startuplife.net/consulting-firm-work/
なので、今コンサルファームに入社するとPMO案件アサインされる可能性が非常に高くなっているのです。
まさにぼく自身も1年半前にコンサルファームに転職し、1年半の間1つのクライアントに入ってPMOをやってきたコンサルタントであります。
PMOは具体的に何するの?
ではPMO案件に入ったコンサルタントは具体的に何をするの?という部分について解説していきます。
以下の通り、PMOの業務を基本と応用に分けてリストアップしました。
- 基本① スケジュール管理
- 基本② 諸々の調整業務
- 応用① 情報整理・方針案の提示
- 応用② 業務プロセス改善
よくPMOはつまらないという話があるのですが、世の中には基本①②だけをやっているPMOが多くいまして、このタイプのPMOは仕事がつまらないしあまり付加価値を出せていないです。
一方、優秀なPMOは応用①②にもしっかりと踏み込んでおり、これらの業務は決してつまらないものではないはずです。
といったあたりも含めて、それぞれの業務を解説していきますね!
基本① スケジュール管理
まずはPMOの基本中の基本、スケジュール管理です。
PMOはプロジェクト全体のスケジュールを把握し、プロジェクトの中でどのタスクが順調に進んでいるのか、どのタスクが遅れているのかをしっかりと理解していることが必須になります。
なので、PMOはとにかくスケジュールに関する質問をたくさん受けます。
- このタスクはいつまでに終わらせる必要がありますか?
- これが終わったら次は何をすればいいですか?
- タスクが期日に遅れそうなのですが大丈夫ですか?
こんな感じです。
このような質問に答えられるように、常に全体スケジュールを理解してないといけないのです。
とにかくプロジェクトの進行を滞らせないように、円滑に進むようにスケジュールを管理していくことがPMOに求められる最低限のタスクなのです。
基本② 諸々の調整業務
基本業務の2つ目は諸々の調整業務です。
どんな調整かというと、例えば以下のようなものです。
- スケジュール調整
- ミーティング設定、ファシリテーション
- 必要な情報収集
それぞれ具体的に説明したいと思います。
スケジュール調整
またスケジュールかよーって感じですが、PMOはスケジュールばっかりです笑
プロジェクトをやっていると、最初に決めたスケジュールがずれることって往々にしてあります。
例えば、Aというタスクが1週間で終わると思ってたけど、トラブルで2週間かかってしまう、みたいなことがあったとします。
このような時、PMOとしてはAが遅れることによってプロジェクト全体にどんな影響を及ぼすか?を考え、全体スケジュールが遅れないように調整します。
タスクAが1週間遅れた場合でも、タスクBを1週間早く終わらせることができたら全体は遅延しないという計算になる場合、タスクBを進める人に「なんとか1週間早くできない?」と相談しにいきます。
PMOはこのような感じでスケジュールが遅れないように調整していく必要があるのです。
ミーティング設定、ファシリテーション
次に、ミーティング関連の調整もけっこう多くあります。
プロジェクトを進める上で、複数の部署が集まって話した方がタスクがスムーズに進むケースって結構あり、そういう時はPMOが率先してミーティングを設定します。
また会議の中でもPMOが司会進行をして、ミーティングのゴールを共有して論点を整理しながら進めていき、最後には決まったことやネクストアクションを参加者と確認し、議事録として共有します。
こんな感じです。これもプロジェクトを円滑に進めるというゴール達成に向けた業務ですね。
必要な情報収集
3つ目は、情報収集です。
例えば、あるタスクを進める人が「進める上でこの情報が欲しいんですけど知りませんか?」とPMOに相談してくる場合があります。
こんな時、PMOは全力でこの情報を探しにいく必要があります。
なぜならその情報がないとタスクが滞り、プロジェクトのスケジュールが遅れるリスクがあるからです。
大体こういう時、誰がその情報を持っているかわからないので、まず持ってそうな人に聞いてみて、その人が持ってない場合また持ってそうな人を紹介してもらったりしてその情報を探し出すということが必要になります。
このような面倒な役割もPMOが果たしているのです。
プロジェクトを円滑に進めるの調整ならなんでもやる、という感じですね。
応用① 情報整理・方針案の提示
ここからは応用編です。
PMOとして入っているコンサルタントとしては、このあたりをどれだけやれるか?が価値になってきます。
応用編の1つ目は、「情報整理・方針案の提示」です。
プロジェクトを進める中で問題が発生し、その問題を解決するために複数の部署を巻き込む必要がある場合、誰かが中心になって問題を整理することでプロジェクトの進行がスムーズになることがあります。
その役割を果たすのがPMOです。
具体的には以下のような情報を整理します。
- 起きている問題
- 問題が起きている背景、理由
- 問題解決のためにとるべきアクション
- 上記アクションの役割分担と期日
- アクションの進捗管理方法
- これらが合意できない場合の代替案
また、これらの内容が全ての関係者と合意できるようにするために事前に個別に根回ししたりもします。
正直、大企業のしっかりしたプロジェクトだとここまでやらなくても進行はしていくのですが、こういう時にPMOが中心に入るとプロジェクトが安定しますし進行がスムーズになります。
応用② 業務プロセス改善
次に、応用編2つ目は「業務プロセス改善」です。
応用①と少し似ているのですが、起きた問題を解決するために仕組みそのものを変えた方がいいと思ったら、PMOが推進して通常業務プロセスそのものを改善します。
具体的には以下のようなことを整理します。
- 起きている問題
- 問題が起きている背景、理由
- 現状の業務プロセス
- 上記プロセスで課題はどこなのか
- 上記課題はどうやったら解決できるのか
- 解決策をどうプロセスに落とし込めばいいのか
- 以上を踏まえた、あるべき業務プロセス
- 新たなプロセスを実行する時の役割分担
ざっとこんな感じです。
いわゆる業務コンサルタント、BPR(Business Process Re-engineering)のような動きですね。
これらの応用編がPMOの醍醐味ですし、優秀なPMOはこの動きを連続かつ同時並行的に実施していますし、このようなPMOは年収がどんどん上がります。
改善するのがコンサルの価値ですよね!
まとめ
いかがだったでしょうか?
今回は、PMOの業務内容について基本編、応用編に分けて解説してきました。
PMOってなんや?と思っていた人の参考になっていたら幸いです。
このポジション、とにかく今需要が大きくて年収も上がりやすい状況です。
つまらない、という意見もありますが、応用編で解説したような動きをすれば決してつまらない仕事じゃないですし、なかなかエキサイティングだと思います。
興味がある方はぜひチャレンジしてみてくださいね!